富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治富嶽百景」(1939)
決意小さなものの中に美しさを見つけたとき
我脳中には唯我は免(ゆる)すべからぬ罪人なりと思ふ心のみ満ち/\たりき。
森鷗外舞姫」(1890)
罪悪感、絶望、孤独自分の選択がもたらす結果に直面し、取り返しのつかない過ちを犯したと感じるとき
或る意味においてすべての人間は哲学者である。
三木清哲学入門」(1940)
勇気自分には哲学なんて無理だと思ったとき
いっさいの事は人間の掌中にあるんだが、ただただ臆病のために万事鼻っ先を素通りさせてしまうんだ
ドストエフスキー罪と罰」(0)
決意と自己嫌悪自分の弱さに気づき、行動することの大切さを痛感したとき
頭のいい人は見通しがきくだけに、あらゆる道筋の前途の難関が見渡される。そのためにややもすると前進する勇気を阻喪しやすい
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
気づき考えすぎて動けなくなったとき
なにがしあわせか わからないです。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
迷い何が正しいかわからなくなったとき
人間というものは自分のためばかりに生きているものだろうか。
新美南吉牛をつないだ椿の木」(1943)
内省、疑問自分の生き方を見つめ直したいとき
よだかは実にみにくい鳥でした。
宮沢賢治よだかの星」(1934)
悲しみ自分の外見に自信がないとき
いろいろ注文が多くて うるさかったでしょう。 お気の毒でした。 もうこれだけです。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
恐怖安心させる言葉が一番怖いとき
桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子をたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です。
坂口安吾桜の森の満開の下」(1947)
不穏、挑発常識を疑いたくなったとき
だが、そんなことをやってみるがいい! 彼は写真の上に坐りこんで、渡しはしない。
フランツ・カフカ変身」(0)
決意、抵抗すべてを失い続ける中で、最後に守りたいものが見つかったとき
言葉や様子こそあまり上品じゃないが、心はこいつらよりも遥かに上品なつもりだ。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
自尊心、矛盾への自覚自分の非礼を認めつつも、生徒たちの卑怯さに怒りを感じるとき
おのれに存する偉大なるものの小を感ずることのできない人は、他人に存する小なるものの偉大を見のがしがちである。
岡倉天心茶の本」(1906)
ハッとする他人を見下してしまいそうなとき
堪(た)えがたいほど切ないものを胸に盛(い)れて忍んでいた。
夏目漱石夢十夜」(1908)
切なさどうしようもない苦しみに耐えている状況で、その感情の正体を知りたいとき
女の顔にはいつも何一つ表情というものがなく、それは怖ろしいほど美しく、恐ろしい顔でした。
坂口安吾桜の森の満開の下」(1947)
恐怖、魅了美しいものに恐怖を感じるとき
弓というものがどんな物であったか、それも思い出せぬ。
中島敦名人伝」(1942)
衝撃、悟り何かに執着しすぎている自分に気づいたとき
「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己(おれ)のものだぞ。お前たちは一体誰に尋(き)いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
怒り、恐怖、利己心せっかく手にした希望を失いたくないとき、他者との競争に追い詰められるとき
努力して努力する、それは眞のよいものでは無い。努力を忘れて努力する、それが眞の好いものである。
幸田露伴努力論」(1912)
ハッとするがんばりすぎて疲れたとき
古きものを愛護しつつ新しき知識を求める人であれば、人を導く資格がある。
下村湖人現代訳論語」(1949)
知恵伝統と革新のバランスに悩むとき
善い人間は、よしや暗黒な内の促に動されていても、始終正しい道を忘れてはいないものだ
ゲーテファウスト」(1808)
希望自分の弱さに負けそうなとき