語り手は日常的な旅行に退屈を感じ、麻薬による幻想の旅を続けていたが、健康を害して散歩を始める。ある日道に迷った際、方角を錯覚することで同じ町が全く別の美しい町に見えるという神秘的な体験をする。この発見により、彼は意図的に方位を混乱させて「宇宙の裏側」を探索するようになる。
北越地方の温泉地に滞在中、語り手は地元の人々から「憑き村」の伝説を聞く。犬神や猫神に憑かれた特異な部落があり、彼らは年に一度闇夜に祭礼を行うという。軽便鉄道でU町に向かう途中、山道で道に迷った語り手は、やがて奇妙な町に迷い込む。その町の住民は皆猫のような特徴を持ち、異様な雰囲気に包まれている。語り手は恐怖を感じながらも、その町の不思議な魅力に引き込まれていく。
最終的に語り手は現実世界に戻るが、あの猫の町が夢だったのか現実だったのか判然としない。冒頭のショーペンハウアーの引用が示すように、現象の背後にある「物そのもの