このままの姿では、とても何千里となく遠い国へ帰ることはできません。
小川未明赤い船」(1922)
お前はこの世界へ生れて来るかどうか、よく考えた上で返事をしろ。
芥川龍之介河童」(0)
一度でも我に頭を下げさせし人みな死ねといのりてしこと
石川啄木一握の砂」(1910)
親から子と次第に人間の価値は落ちていきまして、子は親ほどだれからも尊敬されず、愛されもしないのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(29 行幸)」(1914)
娘の時代だったならと取り返しのつかない運命が悲しかった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(03 空蝉)」(1914)
自分の体もまた一つの大自然であり、山あり川あり、無限の喜びと悲しみを持っている大きな天地ではないだろうか。
中井正一美学入門」(1941)
誰でも絶えず努力しているものは、われ等が救うことが出来る。
ゲーテファウスト」(1808)
「なくてぞ人は恋しかりける」とはこうした場合のことだろうと見えた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(01 桐壺)」(1914)
どうしても我ら猫族が親子の愛を全うするには人間と戦ってこれを滅ぼさねばならない。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは。
新美南吉ごんぎつね」(1932)
私は生涯にまたとあるまじき重要な地位に立っているのだから。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
今に自分も、あの煙突から煙になって出るのだ。
小泉節子思い出の記」(1908)
そしてナオミが来てくれたら、彼女は女中の役もしてくれ、小鳥の代わりにもなってくれよう。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)