一軒の山家の前へ来たのには、さまで難儀は感じなかった。
泉鏡花高野聖」(1900)
流転の相はこの通りだ。昼となく夜となく流れてやまない。
下村湖人現代訳論語」(1949)
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
二十一年の大誓願、端なくも今宵成就いたした
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。
芥川龍之介河童」(0)
呪われた意地につきまとわれているゼラール中尉を憫まずにはいられなかった。
菊池寛」(1920)
私は生きなかったということを発見することがないように欲したからである
ソロー森の生活」(1854)
僕たちに父親てておやがあるわけはない。そんなものがあるもんか。
菊池寛父帰る」(1917)
人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。
坂口安吾堕落論」(1947)
自分で自分の馬鹿を承知しているほど尊く見えることはない。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
自分の幸福のために自分の個性を発展していくと同時に、その自由を他にも与えなければすまない事だと私は信じて疑わないのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
この山を旅する方は皆、大風のような音をどこかで聞きます。
泉鏡花高野聖」(1900)