晩に新しい下駄をおろすと狐がつくというよ
新美南吉」(1943)
お前がおれを殺したのは今からちょうど百年前だね
夏目漱石夢十夜」(1908)
半年以上もすれば梅の花が咲いて来る。果して病人の眼中に梅の花が咲くであろうか。
正岡子規病床六尺」(1902)
私は私自身さえ信用していないのです。
夏目漱石こころ」(1914)
私は、今夜、殺される。殺されるために走るのだ。
太宰治走れメロス」(1940)
針の痕は次第次第に巨大な女郎蜘蛛の形象を備え始めた。
谷崎潤一郎刺青」(1910)
人間というのは卑劣なもので、なんにでも慣れてしまうものだ
ドストエフスキー罪と罰」(0)
人生とはこんなに寂しいものだったのだと源氏は思った。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(12 須磨)」(1914)
このことから、神が欺く者であり得ないことは十分に明らかである。
デカルト省察」(1641)
母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
あんなことをなぜしてしまったんだろう。取り返しのつかないことになってしまった。もう僕は駄目だ。
有島武郎小さき者へ」(1918)
そしてナオミが来てくれたら、彼女は女中の役もしてくれ、小鳥の代わりにもなってくれよう。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
これは福沢という正体が現れては、たった一発と、安い気はしない
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
そして軽く跳び上がる心を制しながら、その城壁の頂きに恐る恐るレモンを据え付けた。
梶井基次郎檸檬」(1925)
カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ。どこまでもどこまでも一緒に行こう。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)