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ハハハ……、二十面相は童話の中の魔法使いです。だれにでもできないことを、実行してみせるのです。
江戸川乱歩「怪人二十面相」(1936)
驚き
自分の正体が露わになったとき
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どこへ行くんだか分らない。ただ波の底から焼火箸(やけひばし)のような太陽が出る。
夏目漱石「夢十夜」(1908)
不安、虚無感
人生の目的を見失ったとき、先の見えない状況に直面したとき
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この言葉を聞いた時、三四郎は真実に熊本を出たような心持ちがした。同時に熊本にいた時の自分は非常に卑怯(ひきょう)であったと悟った。
夏目漱石「三四郎」(1908)
覚醒、後悔と決意の混在、解放感
自分の過去の思考に向き合い、本当の意味で新しい世界へ踏み出したいとき
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……鳴呼。私が浅ましい狂人(きちがい)……。
夢野久作「ドグラ・マグラ」(1935)
絶望, 自己否定, 恥辱
自分が精神病患者であることを認識させられたとき
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庄兵衛はこの男を島へ送ることが果して是(ぜ)であろうかという疑を持った。
森鷗外「高瀬舟」(1916)
葛藤、疑問
法律と人情の間で引き裂かれるとき
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もしこの二人の物理学者が彼等のすべての器械を用いて、一人は静止せる実験室のなかで、もう一人は汽車のなかで、すべての自然法則を研究するならば、汽車が動揺せずに一様に走る限り、彼等は全く同じ自然法則を見出すでありましょう。
アインシュタイン「相対性理論」(1916)
知的興奮
物理学の面白さに触れたいとき
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それは赤い頬をした三人の男の子が、 目白押しに並んで立っていた。
芥川龍之介「蜜柑」(1919)
切なさ
大切な人との別れの場面に立ち会ったとき
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お日さん、お日さん。 どうぞ私をあなたの処へ 連れてって下さい。 灼けて死んでもかまいません。
宮沢賢治「よだかの星」(1934)
祈り
どこかに逃げたいとき
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併し、あの電燈を消したのが犯人だとすれば、スイッチにその指紋が残っていなければなりません。
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
決意
論理的な推理で相手を追い詰めたいとき
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糞(ふん)はどこぞに着いておらぬかと眺(なが)めて見たが、それは箱のなかに取り残されていた
夏目漱石「草枕」(1906)
諦観, 黒い笑い
日常の非情さに直面したとき
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この極楽の蓮池の下は、丁度地獄(じごく)の底に当って居りますから、水晶(すいしよう)のような水を透き徹して、三途(さんず)の河や針の山の景色が、丁度覗(のぞ)き眼鏡(めがね)を見るように、はっきりと見えるのでございます。
芥川龍之介「蜘蛛の糸」(1918)
驚き、不安、深い考察
世界観のすべてが覆されるとき、パラダイムシフトを経験したいとき
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自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。
芥川龍之介「蜘蛛の糸」(1918)
悲しみ、虚無感
自分の利益のために他者を切り捨てたとき、罪悪感に苦しむとき
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ごんは、お念仏がすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十の母の葬列を見送りながら、ごんは思いました。
新美南吉「ごんぎつね」(1932)
悲しみ、反省
取り返しのつかないことをしてしまったとき
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ただあなたとわたしのように、こういっしょにいるところなんで、その場限りで面白味があるでしょう
夏目漱石「草枕」(1906)
切なさ、諦観
人生の意味や関係の本質について問われたとき
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もう、どうでもいい。
太宰治「走れメロス」(1940)
孤独
全部投げ出したくなったとき
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大阪の街は どん底の二人にも優しかった。 安い飯屋の湯気の向こうに、 人間の温もりがあった。
織田作之助「夫婦善哉」(1940)
温もり
お金はなくても幸せを感じるとき
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武蔵野の美についてはだれが一番よく知っているか。 自分は先ず蕪村を推したい。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
感嘆
身近な風景の美しさに気づいたとき
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金魚のふんみたいに ついて歩くなんて
太宰治「斜陽」(1947)
切なさ
自分の弱さに気づいたとき
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昔、桜の花の下は怖ろしいと思っても、誰も関りのないことでした。
坂口安吾「桜の森の満開の下」(1947)
孤独、畏怖
誰にも理解されない恐怖を感じたとき
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今の武蔵野は昔の武蔵野ではない。 しかし今の武蔵野にも、 自然の美がないと云うものは、 必ずしも自然を解していないのだ。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
覚醒
変わってしまったものに失望しそうなとき
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