ただもう、無性(むしょう)にわなをしかけてみたくなったのです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
決意子どもながらに家族を守りたいという衝動に駆られたとき
村人の永住の地を去らんとする者とかりそめに入りこみたる旅人とまたかの悠々たる霊山とを黄昏は徐に来たりて包容し尽したり。
柳田国男遠野物語」(1910)
切なさ、孤独、静寂人生の過渡期にあるとき、どこにも属さない気持ちになったとき
馬を駅亭の主人に借りて独り郊外の村々を巡りたり。
柳田国男遠野物語」(1910)
決意, 冒険心一人で未知の土地へ向かいたいときや、自分だけの世界を探求したいとき
表題は「人間椅子」とつけたい考えでございます。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
怖さと戦慄すべての謎が解ける瞬間、自分が騙されていたことに気づくとき
人の貴きにあらず、国法の貴きなり。
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
覚醒、価値転換身分や地位の本質について考えるとき
……ここはたしかに九州帝国大学の中の精神病科の病室に違いない。そうして私は一個の精神病患者として、この七号室? に収容されている人間に相違ないのだ。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
現実の受容, 衝撃, 混乱自分の置かれた状況を冷徹に認識しようとするとき
蛭(ひる)が降るのです。木の枝から、雨のように蛭が降って来る。
泉鏡花高野聖」(1900)
恐怖逃げ場のない恐怖に直面したとき
女には、幸福も不幸も無いものです。男には、不幸だけがあるんです。いつも恐怖と、戦ってばかりいるのです。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
切なさ, 諦観人生における性別の役割や運命を考えるとき、人間関係の本質を知りたいとき
ゴーシュはかっこうがこんやあたり来るかなと思いながら また一生けん命セロを弾きました。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
決意一人で黙々と練習しているとき
かっこうかっこうかっこうかっこうかっこう
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
好奇心何度も同じことを繰り返しているとき
母さんの言ったことは嘘だな。人間はちっとも恐かないや。
新美南吉手袋を買いに」(1943)
安心、発見怖いと思っていたものが実は怖くなかったとき
翡翠(ひすい)のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。
芥川龍之介蜘蛛の糸」(1918)
切なさ救われたいのに救われない状況に置かれているとき
自分と野々宮を比較してみるとだいぶ段が違う。自分は田舎から出て大学へはいったばかりである。学問という学問もなければ、見識という見識もない。
夏目漱石三四郎」(1908)
劣等感, 自己否定好きな女性に軽んじられていることに気づいたとき
くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。
宮沢賢治山越え」(1921)
残酷性、無感覚さ生き物の死を美化し、快感として語られるのを聞いたとき
模様として縞が「いき」と看做されるのは決して偶然ではない。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
発見デザインや美学に興味があるとき
生きることは、もっとわけの分らぬものだ。
坂口安吾堕落論」(1947)
困惑、諦観、深い思索人生の意味や目的について迷ったとき
日は傾きて風吹き酔いて人呼ぶ者の声も淋しく女は笑い児は走れどもなお旅愁をいかんともする能わざりき。
柳田国男遠野物語」(1910)
孤独, 切なさ祭りの賑わいに囲まれながらも、心が満たされないとき
こんやの演奏についてはわたくしじつはあのセロには まったく感心しました。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
希望努力が報われた瞬間
そうして、その翌る日のあけがた、私は、あっけなくその男の手にいれられました。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
切なさ, 無常感, 諦念自分の人生が予期せず変わる瞬間を知ったとき
大部分の贅沢は、そして多くのいわゆる人生の慰安物は、人類の向上にとって不可欠でないばかりでなく、積極的な妨害物である。
ソロー森の生活」(1854)
反省モノを買っても満たされないとき