始終私の心を押さえつけていた不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか緩んで来た
梶井基次郎檸檬」(1925)
私たち、これから本当に生きられるだけ生きましょうね……
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
人生は何事もしないには余りに長いが、何事かをするには余りに短い。
中島敦山月記」(1942)
二十一年の大誓願、端なくも今宵成就いたした
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
住吉の神が導いてくださるのについて、早くこの浦を去ってしまうがよい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
これは経験が私たちを強いて私たちの基礎に置かせた原理の否定し難い一つの帰結なのです。
アインシュタイン相対性理論」(1916)
年寄の女に向って年齢のことを気遣うのなども、もう皮肉に気持ちがこずんで来た証拠だね
岡本かの子老妓抄」(1938)
暗闇の世界の恋でございます。決してこの世のものではありません。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
僕ハ彼女ヲ酔イツブシテ寝カシテシマオウトイウ底意モアッタガ、ドウシテ彼女ハソノ手ニハ乗ラナイ。
谷崎潤一郎」(1956)
ただ漠然と親というものの面影を今日まで心に作って来ているだけだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
どんよりとくもれる空を見ていしに人を殺したくなりにけるかな
石川啄木一握の砂」(1910)
もう、どうでもいいという、勇者に似つかわしくない投げやりな根性が、心の隅に巣食った。
太宰治走れメロス」(1940)
晩に新しい下駄をおろすと狐がつくというよ
新美南吉」(1943)
武蔵野を除いて日本にこのような所がどこにあるか。
国木田独歩武蔵野」(1898)
私がいなくなっても、もう姉さんたちは一生遊んで暮せるでしょう。
太宰治畜犬談」(1939)
「私、なぜだか、ああしたかったんですもの」
夏目漱石三四郎」(1908)