紙風船
岸田国士1925年)
戯曲137,807皮肉恋愛
あらすじ — 結婚って、こんなリアル
大正時代の中流家庭の夫婦が、日曜日の退屈な午後をどう過ごすかを巡って会話を重ねる一幕劇。夫は新聞を読み、妻は編み物をしながら、散歩に出るか友人宅を訪れるかと話し合うが、結局どこにも行かずに縁側で過ごしている。やがて二人は鎌倉への日帰り旅行を空想で語り合い、海辺で戯れる妻の美しさに夫が見惚れる場面では束の間の幸福感が漂う。しかし現実に戻ると、夫は妻への愛情と倦怠の両方を抱える複雑な心境を吐露し、妻もまた涙を見せる。何気ない日常会話の中に、結婚生活の微妙な心理的緊張と、失われゆく新鮮さへの哀愁が描かれる。岸田国士の代表的な心理劇として、現代にも通じる夫婦関係の機微を繊細に捉えた秀作。
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