さあさあおなかにおはいりください。
宮沢賢治山越え」(1921)
恐怖逃げ場がないことを悟ったとき
金を遺すのはよろしい、事業を遺すのもよろしい、しかしながらそれよりもいちばん大事なのは何かというと、勇ましい高尚なる生涯でありましょう
内村鑑三後世への最大遺物」(1897)
覚悟お金や成功だけが価値だと思いそうになったとき
己はお前を何処(どこ)までも追っ駈(か)け廻す積りだから
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
執着、支配欲愛する者を逃がせない切実さを感じたとき
人間は恋と革命のために 生れて来たのだ。
太宰治斜陽」(1947)
決意何かを変えたいと思ったとき
聞きたいな。ちっとも聞えないとなお聞きたい
夏目漱石草枕」(1906)
切なさ, 憧れ静かな山里で、聞こえない音を求めるとき
ごんは、お念仏がすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十の母の葬列を見送りながら、ごんは思いました。
新美南吉ごんぎつね」(1932)
悲しみ、反省取り返しのつかないことをしてしまったとき
人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
希望自分の身分や環境に不満を感じたときや、人生を変えたいと思ったとき
この責任のみは自分が負わねばならぬなり。
柳田国男遠野物語」(1910)
決意批判や非難を受けたとき
あの婦人は、今でも、あの山の中に、独り住んでいるのでございましょうか。
泉鏡花高野聖」(1900)
余韻終わった後も頭から離れないとき
お前が学資を続ける方法がないために、もう幾月も大学をやめてしまい、出稽古その他の口もなくなったと知った時、わたしの気持はどんなだったでしょう!
ドストエフスキー罪と罰」(0)
悲しみ、切なさ親が子どもの困窮を知ったとき
自然にふれることで、自分のほんとうのあるべき、守るべき姿にぶっつかり、ほんとうの自由な自分、いとおしむべき、健康な、大切にすべき自分に気がつくことは、大変なことである。死んでも守らなければならない自分を、発見することでもあるのである。
中井正一美学入門」(1941)
自己発見自分が何者かわからなくなったとき
僕の可愛いナオミちゃん、僕はお前を愛しているばかりじゃない、ほんとうを云えばお前を崇拝しているのだよ。お前は僕の宝物だ、僕が自分で見つけ出して研きをかけたダイヤモンドだ。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
執着、支配欲、歪んだ愛情結婚を決めた直後に、ナオミに対して自らの感情を告白するとき
辺鄙で不便なのをも心にかけず、俸給も独り身の事であるから沢山は要らないから、赴任したようでした。
小泉節子思い出の記」(1908)
決意, 希望自分の信念のために不便さを受け入れようとするとき
もうどこへも行く先がないという意味が、おわかりになりますかな? いや、これはまだあなたにゃわかりますまいよ……
ドストエフスキー罪と罰」(0)
絶望人生の選択肢を失い、追い詰められた状況を理解してほしいとき
じつにぼくは、二千四百円の損害だ
宮沢賢治山越え」(1921)
無関心, 滑稽さ深刻な状況でも金銭的な損失ばかり気にかけるとき
それは、ただ、触覚と、聴覚と、そして僅の嗅覚のみの恋でございます。暗闇の世界の恋でございます。決してこの世のものではありません。これこそ、悪魔の国の愛慾なのではございますまいか。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
陶酔, 恐怖, 倒錯椅子の中で人間の肉体に触れることの快楽に目覚めたとき
君よ、つよく生きよ。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
激励自分の道を信じたいとき
平常から、犯罪だ探偵だと、議論丈は却々一人前にやってのける私だが、さて実際に打っつかったのは初めてだ。手のつけ様がない。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
無力感、現実への直面理想と現実のギャップに気づいたとき
われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である
宮沢賢治農民芸術概論綱要」(1926)
高揚大きな理想に向かって踏み出したいとき
私はお前たちに「お前たちの母上はこの世で最も美しい人であった」と言おう。
有島武郎小さき者へ」(1918)
追慕亡くなった人の美しさを語りたいとき