映画は今から二十年前までは芸術であるということを人々は躊躇していたにもかかわらず、しかし、今や、それは一つの立派な芸術として人間を納得させはじめた。
中井正一美学入門」(1941)
希望,発見新しい価値を認めるとき
もうとても黙って家の中におられない気持でした。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
焦燥, 追い詰められた感覚現状から逃げ出したいとき
母さんの言ったことは嘘だな。人間はちっとも恐かないや。
新美南吉手袋を買いに」(1943)
安心、発見怖いと思っていたものが実は怖くなかったとき
そこで、貧富を超越するということじゃが、それは結局、貧富を天に任せて、ただ一途に道を楽み礼を好む、ということなのじゃ。
下村湖人論語物語」(1938)
解放感,悟りお金や地位にとらわれて苦しんでいるとき
ただあなたとわたしのように、こういっしょにいるところなんで、その場限りで面白味があるでしょう
夏目漱石草枕」(1906)
切なさ、諦観人生の意味や関係の本質について問われたとき
鏡に対(むか)うときのみ、わが頭の白きを喞(かこ)つものは幸の部に属する人である。
夏目漱石草枕」(1906)
感動, 悟り人生の本質を理解したいとき、老人の価値を認めたいとき
理智は吾人に教へて曰く、運命流行の原則は、運命其物のみ之を知る。たゞ運命と人力との關係に至つては我能く之を知ると。
幸田露伴努力論」(1912)
冷静運命のせいにしたくなったとき
それは私自身に取って忘れがたない貴い記録であると同時に、恐らくは読者諸君に取っても、きっと何かの参考資料となるに違いない。
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
決意自分の人生を記録に残したいと思ったとき
「いき」は恋の束縛に超越した自由なる浮気心でなければならぬ。
九鬼周造「いき」の構造」(1930)
解放感,自由恋愛に束縛されそうになったとき
永遠に女性なるもの、我等を引きて往かしむ。
ゲーテファウスト」(1808)
昇華,救済魂が最終的な救いに導かれるとき
人間は、二つの魂の誕生をもっているといえよう。
中井正一美学入門」(1941)
神秘,発見人生の転換点に立つとき
人間は時間と空間との制約の埒外に出ることはできない。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
悲哀,諦念自分の限界を痛感するとき
どこまでもどこまでも 一緒に行こう
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)
友情別れが怖いとき
ちくしょうめ、やられたんです。あいつにやられたんです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
悔しさ、怒り自分が二十面相に騙されたことを認識したとき
君、あの女には、もう返したのか 「いいや」 「いつまでも借りておいてやれ」
夏目漱石三四郎」(1908)
切なさ、逆説的な喜び恋する相手との関係を深めたいとき、純粋な気持ちを複雑に感じるとき
ピストルはおもちゃだったのです。さいぜんから、おもちゃのピストルにおびえて、人を呼ぶこともできなかったのです。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
怒り自分がまたも騙されていたことに気づいたとき
考えてるのよ!
ドストエフスキー罪と罰」(0)
決意自分の怠惰を指摘されて、それでも自分が何をしているのか問われたとき
唯其の独立を全するが為めに」
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
信念,決意人生の目標を明確に定めたとき
二百文の鳥目を島へ持って行く事が出来る。この金はお上からいただいたものである。自分の物というものは、生まれてから持った事がない。それを今懐に持っている。
森鷗外高瀬舟」(1916)
切なさ、温かさ初めて自分だけのものを手にしたとき
お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っております
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
切なさ大切な人の死を受け入れ、自分の人生の終わりについて考えるとき