人間というものは自分のためばかりに生きているものだろうか。
新美南吉牛をつないだ椿の木」(1943)
内省、疑問自分の生き方を見つめ直したいとき
蠅は最も高い馬の耳の上に止まって、眼の下に落ちてゆく世界をじっと見おろしていた。
横光利一」(1923)
静寂、超越世界が崩壊する瞬間を、外から眺めるしかないとき
雲雀の鳴くのは口で鳴くのではない、魂全体が鳴くのだ。
夏目漱石草枕」(1906)
感動、覚醒人生の本質的な生き方について考えたいとき
それでは」と、グレゴールはいったが、自分が冷静さを保っているただ一人の人間なのだということをはっきりと意識していた。
フランツ・カフカ変身」(0)
決意, 孤独周囲が混乱する中で、自分だけが状況を理解しているとき
いま、いま、いま、と 指でおさえているうちにも、 いま、は遠くへ飛び去って、 あたらしい「いま」が来ている。
太宰治女生徒」(1939)
孤独時間が過ぎるのが怖いとき
女は笑いながら、白い手をのべて、その蛇を掴んでひょいと投げた。
泉鏡花高野聖」(1900)
畏怖人間離れした存在に圧倒されたとき
私はこの小娘の下品な顔だちを好まなかった。 それからまた大きすぎる風呂敷包みが不快であった。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
切なさ知らない人にイラッとしちゃうとき
小さき者よ。不幸なそして同時に幸福な汝等の父と母との祝福を胸にしめて人の世の旅に登れ。
有島武郎小さき者へ」(1918)
祝福旅立ちを見送るとき
物の真に肝要なところはただ虚にのみ存すると彼は主張した。たとえば室の本質は、屋根と壁に囲まれた空虚なところに見いだすことができるのであって、屋根や壁そのものにはない。
岡倉天心茶の本」(1906)
知的好奇心ものの本質を考えたいとき
私たちの恥を 見せてあげよう
太宰治斜陽」(1947)
覚悟弱さをさらけ出す勇気がいるとき
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
宮沢賢治農民芸術概論綱要」(1926)
使命感自分だけの幸せに疑問を感じたとき
人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。
坂口安吾堕落論」(1947)
希望絶望的な状況の中でも、人間の本質を信じたいとき
聞きたいな。ちっとも聞えないとなお聞きたい
夏目漱石草枕」(1906)
切なさ, 憧れ静かな山里で、聞こえない音を求めるとき
天行健なり。
下村湖人論語物語」(1938)
静寂,決意絶望的な状況に直面したとき
そなたの胸は海のやうおほらかにこそうちあぐる。
中原中也山羊の歌」(1934)
愛情,賛美愛する人の美しさに心から感動しているとき
人間と人間と触れ合うことは無限の味、幸福、涙である。
倉田百三愛と認識との出発」(1921)
感動,至福他者との深いつながりを体験するとき
それから、池の岸で、どんなことがおこったかは、しばらく読者諸君のご想像にまかせます。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
好奇心、謎めいた不安何か重大な出来事が起きたことを知りたいとき
人間は誰でも猛獣使であり、 その猛獣に当るのが、 各人の性情だという。
中島敦山月記」(1942)
自覚自分をコントロールできないとき
まだグレゴールはここにいて、自分の家族を見捨てようなどとは、ほんの少しだって考えてはいないのだ。
フランツ・カフカ変身」(0)
決意, 切なさ家族のために自分を犠牲にする覚悟を決めたとき
前にはあのようにつけつけとは哂わなんだて。
芥川龍之介」(1916)
孤独, 切なさ, 悲しみ自分の変化を周囲が受け入れてくれないことに気づいたとき