襟の印のあがりも際立て
樋口一葉たけくらべ」(1895)
誇り特別な装いで人前に出るとき
なかなか運搬はひどいやな。
宮沢賢治セロ弾きのゴーシュ」(1934)
ユーモア日常の些細な苦労を感じたとき
私はこれが犯罪事件ででもあって呉れれば面白いと思いながらカフェを出た。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
好奇心日常に刺激を求めているとき
「あたしの恐ろしいことが分ったか」
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
支配力関係が逆転するとき
天は人に富や身分を与えるのではなく、その人の働きに与えるものである
福沢諭吉学問のすすめ」(1872)
勇気運命を嘆きそうになったとき
雑木でも束になっていれば心丈夫ですから。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
ユーモア群れることの心理を理解したとき
虫が知らすとでも言うのか、何だかこう、傍見をしているすきに何か起きそうで、どうも外へ目を向けられなかった
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
予感何か重大なことが起きる直前
私を取り巻く人の運命が、大きな輪廻のうちに、そろそろ動いているように思われた。
夏目漱石こころ」(1914)
予感運命の変化を感じるとき
私は、椅子の中へ入ると同時に、丁度、隠れ蓑でも着た様に、この人間世界から、消滅してしまう訳ですから。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
解放感現実から逃避したいとき
羽柴さん、あなたこそ動いてはいけませんね。
江戸川乱歩怪人二十面相」(1936)
皮肉信頼していた相手に裏切られたとき
一切が不明であった。
横光利一」(1923)
諦念どうにもならない状況に直面したとき
私はもう沈黙したいと思っている。
下村湖人現代訳論語」(1949)
諦念言葉の無力さを感じるとき
私は、今夜、殺される。殺されるために走るのだ。
太宰治走れメロス」(1940)
覚悟自分を犠牲にする決断をしたとき
こんな月夜には、子供たちは何か夢みたいなことを考えがちでした。
新美南吉」(1943)
幻想日常を離れて特別な体験をしたいとき
この、お乳とお乳のあいだに、……涙の谷、……
太宰治魚服記」(1933)
切なさ心の重荷を静かに告白するとき
未来の天才は、まだそれらの実の中に何人いるかも分からないまま眠っている。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
畏怖可能性について思いを馳せるとき
自然はやはり、その恋人にのみ真心を打ち明けるものである。
寺田寅彦科学者とあたま」(1933)
恋慕何かに夢中になっているとき
私はどんな罪を前生で犯してこうした悲しい目に遭うのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(13 明石)」(1914)
無常人生の苦境で自分の運命を問うとき
そういうお前であるのなら、私はお前がもっともっと好きになるだろう。
堀辰雄風立ちぬ」(1938)
慈愛愛する人の弱さを愛おしく思うとき
俺が死んだら、どうかお母さんを大事にしてやってくれ
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ父が死を悟ったとき