私は、信頼に 報いなければならぬ。
太宰治走れメロス」(1940)
決意約束を守りたいとき
この責任のみは自分が負わねばならぬなり。
柳田国男遠野物語」(1910)
決意批判や非難を受けたとき
形体以外の活動を見る能(あた)わざる者に向って己霊(これい)の光輝を見よと強(し)ゆるは、坊主に髪を結(い)えと逼(せま)るがごとく、鮪(まぐろ)に演説をして見ろと云うがごとく、電鉄に脱線を要求するがごときものである。
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
怒り, 諦観, ユーモア自分の努力が報われず、他者に理解されないと感じたとき
「坊や、お手々がつめたかろう。おっかさんおててをつつんであげましょうね。」
新美南吉手袋を買いに」(1943)
母性、温かさ無条件の愛を感じるとき
かかる話を聞きかかる処を見てきてのちこれを人に語りたがらざる者果してありや。
柳田国男遠野物語」(1910)
問い、違和感、共感への呼びかけ創作や表現の価値を疑われたとき
俺は俺に間違いないじゃないか。
夢野久作ドグラ・マグラ」(1935)
開き直り、決意自分が何者であるかわからなくなったとき、それでも自分は自分であると確認したいとき
あたしは何も、譲治さんの好奇心を満足させる義務はないわよ。それほど知りたけりゃあたしの跡をつけていらっしゃい、秘密探偵は譲治さんのお得意だから
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
反発, 自由への執着男が女の行動を詮索しようとしたとき
私は淋しい人間です
夏目漱石こころ」(1914)
孤独、切実さなぜ何度も来るのかと問われ、自分の心の空白と向き合うとき
多くの煩ひから私達を慰めて呉れる唯一のものは氣晴しといふことだ。それでありながら氣晴しほど煩はしいものも無い。
パスカルパスカルの言葉」(1943)
気づきSNSやゲームで時間を潰してしまうとき
その夜おれと山嵐はこの不浄(ふじょう)な地を離(はな)れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした。
夏目漱石坊っちゃん」(1906)
解放感堕落した環境から脱け出し、自分らしく生きたいとき
いっさいの事は人間の掌中にあるんだが、ただただ臆病のために万事鼻っ先を素通りさせてしまうんだ
ドストエフスキー罪と罰」(0)
決意と自己嫌悪自分の弱さに気づき、行動することの大切さを痛感したとき
人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。
坂口安吾堕落論」(1947)
悲しみと希望の混在自分の弱さや失敗を受け入れられず、完璧でありたいと願うとき
吾輩は猫である。名前はまだない
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
潔白, 静寂, 孤独恐怖と緊張の中で、自分の存在を簡潔に述べたいとき
富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治富嶽百景」(1939)
決意小さなものの中に美しさを見つけたとき
私は覚醒と夢とが決して確実な標識によって区別され得ないことを明かに認めて、驚愕し、そしてこの驚愕そのものは、私は現に夢みているのだとの意見を私にほとんど説得するのである。
デカルト省察」(1641)
懐疑の深淵現実かどうか不安になるとき
柳吉は泣いた。 蝶子も泣いた。 しかしそれは別れの涙ではなく、 まだ一緒にいるという涙であった。
織田作之助夫婦善哉」(1940)
大変なのに一緒にいることを選ぶとき
物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうでもなるものですよ。一番いい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜くことです。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
驚き真実を追求したいとき、表面的な判断に疑問を持つとき
お前たちの母上は実にお前たちの母上であるに値した人であった。
有島武郎小さき者へ」(1918)
敬愛大切な人を失ったとき
君よ、つよく生きよ。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
激励自分の道を信じたいとき
どうせ死ぬんだから、旨(うま)いものでも食って死ななくっちゃ
夏目漱石こころ」(1914)
切なさ, 悲しみ死を覚悟した時に, 人生の無常さを感じた時に