けれどもそうした昔の話を読んだりすることがなければ退屈は紛れないだろうね。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(25 蛍)」(1914)
河童は我々人間のように一定の皮膚の色を持っていません。
芥川龍之介河童」(0)
麻酔薬はうわ言を言うと申すから、それが怖くてなりません。
泉鏡花外科室」(1895)
水と建築とはこの町に住む人々の常に顧慮すべき密接なる関係に立っているのである。
芥川龍之介魔術」(1920)
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
風に吹かれてどこへでも行ってしまおうというのは少し軽々しい。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(28 野分)」(1914)
それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません。
有島武郎小さき者へ」(1918)
多くの人々は一度も本当の自分に巡り合わずに死んでいっているのである。
中井正一美学入門」(1941)
雲雀はきっと雲の中で死ぬに違いない。
夏目漱石草枕」(1906)
自分は可憐な人を発見することができた。そこで意外な収穫を得るのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(05 若紫)」(1914)
あんなことをなぜしてしまったんだろう。取り返しのつかないことになってしまった。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
心にもない歎息をしながら、着がえをして、なお小さい火入れを袖の中へ入れて香をしめていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
なぜ女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついてお心を悩ます結果を作ったのだろう。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
ところが満州の戦場で大規模な殺戮を始めてからは、文明国と呼ぶようになった。
岡倉天心茶の本」(1906)
この世はこんな不公平なものなのかと思って末摘花は恨めしく苦しく切なく一人で泣いてばかりいた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(15 蓬生)」(1914)
本当に私は、どれが本当の自分だか分からない。
太宰治女生徒」(1939)
人間の住居というよりも、むしろ何かの巣といった方が、よほど適当している。
宮本百合子貧しき人々の群」(1916)