母は私にも別れの言葉もいうひまもなかったのか、それきり私は会えなかった。
室生犀星幼年時代」(1919)
ただそこに、晴々した精進の心があるばかりであった。
菊池寛恩讐の彼方に」(1919)
つまらない親にまさった子は自然に任せておきましてはできようのないことかと思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(21 乙女)」(1914)
お前は何をするのか、先ず日本一の大金持になって思うさま金を使ってみようと思います。
福沢諭吉福翁自伝」(1899)
この世界に、論理の通らない世界のあること。
中井正一美学入門」(1941)
おれは今、やつらの悪霊に招きよせられて、黄泉の国の闇をさまよっているのではないかしら。
江戸川乱歩黒蜥蜴」(1934)
お前さんは真っ先に私の肥料になったんだねえ
谷崎潤一郎刺青」(1910)
ただ漠然と親というものの面影を今日まで心に作って来ているだけだった。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
よ、なぜ黙っている! 何とか言ってくれ! 嫌なら己を殺してくれ!
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
雲雀はきっと雲の中で死ぬに違いない。
夏目漱石草枕」(1906)
もう先生に抱かれたまま死んでしまいたいような心持ちになってしまいました。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
楽しいことは、常に容易ならないものを、その背中に担っているはずである。
中井正一美学入門」(1941)