「あんなものを熱心に見物する女はみんな間違っている」
夏目漱石三四郎」(1908)
一円九十銭の日当の中から、日に、五十銭の米を二升食われて、九十銭で着たり、住んだり、べらぼうめ!
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
「私は本当に、このおかしくなったような、男の度を越したヒステリーともいうべき発作に悩まされました」
谷崎潤一郎痴人の愛」(1924)
河童の国は当時の僕には故郷のように感ぜられましたから。
芥川龍之介河童」(0)
こうして変わらない愛をかける源氏に真心から信頼している様子に同情がされた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(23 初音)」(1914)
もう先生に抱かれたまま死んでしまいたいような心持ちになってしまいました。
有島武郎一房の葡萄」(1920)
助けられたが不思議なくらい、嬢様別してのお情けだわ
泉鏡花高野聖」(1900)
おれは病気の風船のりみたいに、いつも憔悴した方角で、ふらふらふらふらあるいているのだ。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
死んでも守らなければならない自分を、発見することでもあるのである。
中井正一美学入門」(1941)
彼女は真昼の寂しさ以外、何も意識していない。
岡本かの子老妓抄」(1938)
心にもない歎息をしながら、着がえをして、なお小さい火入れを袖の中へ入れて香をしめていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦んでしまったのです。
夏目漱石私の個人主義」(1914)
いやだったら、いやだったら、いやだったら!
新美南吉」(1943)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
この上にいっそう苦痛を加えるだけだと思って、御息所はしいて冷ややかになっているのだ。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(10 榊)」(1914)
私は策略で勝っても人間としては負けたのだ
夏目漱石こころ」(1914)
私は恥じます。これからは一回一円ずつ払いなさい。
小泉節子思い出の記」(1908)