私の恋人は、どんなところに埋められても、そのところ々々によってきっといい事をします。
葉山嘉樹セメント樽の中の手紙」(1926)
文学を専門的にまでやる人で長寿と幸福を二つとも揃って得ている人は少ない。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(17 絵合)」(1914)
京は広い所ですから、よいこともきっとあって、安心がさせていただけると思います。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(22 玉鬘)」(1914)
真っ白い手の平に紫色の葡萄の粒が重なって乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことができます。
有島武郎小さき者へ」(1918)
義援金を出してから、会う人ごとに義援金を取られた、取られたと言いふらしている
夏目漱石吾輩は猫である」(1905)
こんなおいしいご飯を食べたことはないと思うほどだった。
有島武郎生れ出づる悩み」(1918)
女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。
太宰治女生徒」(1939)
すべての人間が神の前においては平等であることを知らない者の人間の世界において平均化を求める傾向である。
三木清人生論ノート」(1941)
心にもない歎息をしながら、着がえをして、なお小さい火入れを袖の中へ入れて香をしめていた。
紫式部(与謝野晶子訳)源氏物語(31 真木柱)」(1914)
雲雀はしきりに啼きながら高く高く雲間へ這入りいつまでたっても降りて来ない
谷崎潤一郎春琴抄」(1933)
カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ。どこまでもどこまでも一緒に行こう。
宮沢賢治銀河鉄道の夜」(1934)