娘は、赤いろうそくを、自分の悲しい思い出の記念に、二、三本残していったのです。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
笑ってくれ。詩人になりそこなって虎になった哀れな男を。
中島敦山月記」(1942)
あの白熊のような犬が二匹、扉を突き破って室の中に飛び込んできました。
宮沢賢治注文の多い料理店」(1924)
子供がどこにいても、しあわせに暮らしてくれたなら、私の喜びは、それに勝ったことはない。
小川未明赤い蝋燭と人魚」(1921)
そのとたん、私たちは同時に「アッ」と声を立てた。明るくなった部屋の片隅には、女の死骸が横たわっているのだ。
江戸川乱歩D坂の殺人事件」(1925)
私には思想なんてものはありませんよ。好き、嫌いだけですよ。
太宰治黄金風景」(1939)
もし、僕が、本当に狐になっちゃったらどうする?
新美南吉」(1943)
阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。
芥川龍之介河童」(0)
指導者は全部、無学であった。常識のレベルにさえ達していなかった。
太宰治黄金風景」(1939)
暗闇の世界の恋でございます。決してこの世のものではありません。
江戸川乱歩人間椅子」(1925)
ただ私に知られていることについてのみ、私は判断を下し得る。
デカルト省察」(1641)
雲雀はきっと雲の中で死ぬに違いない。
夏目漱石草枕」(1906)
本当に人間はいいものかしら。本当に人間はいいものかしら
新美南吉手袋を買いに」(1943)