❝
松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市を縦横に貫いている川の水とその川の上に架けられた多くの木造の橋とであった。
芥川龍之介「魔術」(1920)
❝
そのころ、東京中の町という町、家という家では、……
江戸川乱歩「怪人二十面相」(1936)
❝
得体の知れない不吉な塊が私の心をいつも押さえつけていた。
梶井基次郎「檸檬」(1925)
❝
住みにくさが高じると、安い所へ引っ越したくなる。
夏目漱石「草枕」(1906)
❝
花の下では風がないのにゴウゴウ風が鳴っているような気がしました。
坂口安吾「桜の森の満開の下」(1947)
❝
それは九月初旬のある蒸し暑い晩のことであった。
江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(1925)
❝
呼吸(いき)すれば、胸の中(うち)にて鳴る音あり。
石川啄木「悲しき玩具」(0)
❝
私の頭の中には言いようのない疲労と倦怠が、まるで雪曇りの空のようなどんよりした影を落としていた。
芥川龍之介「蜜柑」(1919)
❝
山路を登りながら、こう考えた。
夏目漱石「草枕」(1906)
❝
親の家ではあっても、良人の愛を失った女になって帰って行くことは、夫人の決心のできかねることであった。
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(31 真木柱)」(1914)
❝
寒い冬が北方から、狐の親子の住んでいる森へもやって来ました。
新美南吉「手袋を買いに」(1943)
❝
暗殺ばかりは家内の者へ言えば当人よりはかえって家の者が心配するでしょう、心配してくれてもそれが何の役にも立たない
福沢諭吉「福翁自伝」(1899)
❝
これは、私が小さいときに、村の茂平(もへい)というおじいさんから聞いたお話です。
新美南吉「ごんぎつね」(1932)
❝
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言われています。
福沢諭吉「学問のすすめ」(1872)
❝
春の夜のもやにそひたる月ならん手枕かしぬ我が仮ぶしに    (晶子)二月の二十幾日に紫宸殿(ししんでん=宮中の正殿……
紫式部(与謝野晶子訳)「源氏物語(08 花宴)」(1914)
❝
人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切がしてみたいものだ
夏目漱石「三四郎」(1908)
❝
「武蔵野の面影は今わずかに入間郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。
国木田独歩「武蔵野」(1898)
❝
ある曇った冬の日暮れである。
芥川龍之介「蜜柑」(1919)