私はこの時初めて、言いようのない疲労と倦怠とを、そして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅かに忘れることができたのである。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
人間というものは角の生えない、青白い顔や手足をした、何ともいえず気味の悪いものだよ。
芥川龍之介桃太郎」(1924)
不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。
芥川龍之介蜜柑」(1919)
お前はもう帰れ。俺たちは今日は向こう泊まりだから。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
僕の魂のアフリカはどこまでもぼうぼうと広がっている。
芥川龍之介或阿呆の一生」(1927)
小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まったのは、良平の八歳の年だった。
芥川龍之介トロッコ」(1922)
天国は彼らの話によると、封建時代の城に似たデパートらしい。
芥川龍之介猿蟹合戦」(1923)
お前はこの世界へ生れて来るかどうか、よく考えた上で返事をしろ。
芥川龍之介河童」(0)
せねば、餓死をするのじゃて、仕方がなくした事であろ。
芥川龍之介羅生門」(1915)
松江へ来て、まず自分の心をひいたものは、この市を縦横に貫いている川の水とその川の上に架けられた多くの木造の橋とであった。
芥川龍之介魔術」(1920)
河童は我々人間が河童のことを知っているよりも遥かに人間のことを知っています。
芥川龍之介河童」(0)
こんな思いをして生きているくらいなら、いっそ川へでも身を投げて、死んでしまった方がましかも知れない。
芥川龍之介杜子春」(1920)
僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――というのは絶えずまはっている半透明の歯車だった。
芥川龍之介歯車」(1927)
おかげ様で私も一人前の仙人になれました。
芥川龍之介仙人」(1922)
河童の国は当時の僕には故郷のように感ぜられましたから。
芥川龍之介河童」(0)