真の貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取り方なんか、しやしないよ。
太宰治斜陽」(1947)
あちこちから鎖が絡まっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治魚服記」(1933)
私は、人間が嫌いです。いいえ、こわいのです。
太宰治待つ」(1942)
人間三百六十五日、何の心配もない日が、一日、いや半日あったら、それは幸せな人間です。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
あの蠟燭が尽きないうちに私が眠るか、またはコップ一杯の酔いが覚めてしまうか、どちらかでないと、キクちゃんが、あぶない。
太宰治」(1947)
そりゃもう、僕にくらべたら、どんな男でも、あほらしく見えるんだからね。
太宰治」(1947)
立派な身なりの、五十年配の奥さんが、椿屋の勝手口にお酒を売りに来て、一升三百円、とはっきり言いまして。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
あわただしく玄関が開く音が聞こえて、私はその音で目を覚ましました。
太宰治ヴィヨンの妻」(1947)
われ、山に向かって、目を上げる。
太宰治魚服記」(1933)
女は、自分の運命を決するのに、微笑一つでたくさんなのだ。
太宰治女生徒」(1939)
朝、食堂でスープを一さじ、すっと吸ってお母さまが、「あ」と微かな叫び声をあげられた。
太宰治斜陽」(1947)
私は買い物かごを抱えて、細かく震えながら一心に一心に待っているのだ。
太宰治待つ」(1942)