けれどもその夜はどういうわけか、いやに優しく、坊やの熱はどうだ、など珍らしくたずねて下さって、私はうれしいよりも、何だかおそろしい予感で、脊筋が寒くなりました。
太宰治ヴィヨンの妻
背景解説
いつも無関心な夫が、珍しく優しい顔で子どもの熱を気遣う。普通なら喜びそうな場面なのに、妻が感じるのは底知れぬ恐怖感。人間関係って、優しさがいきなり現れるときって、逆に何か大きな変化の前触れなんじゃないかって、無意識に感じ取ってしまうんですよね。
その『優しさ』の裏に隠された真実が、人生を一変させる衝撃として妻に襲いかかろうとしていた。
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