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これが一生さ。これがおれの晩年の安らぎさ
フランツ・カフカ「変身」
背景解説
主人公グレゴールが虫に変身して家族に頼られるようになった父親が、今この椅子に座ったまま動けなくなってる状態を、自分の人生の終わりだと諦めてる瞬間。絶望的だけど、妙にリアルな人間の弱さと諦観が詰まってるんです。
なぜ虫に変身した息子よりも、父親のこの一言の方が、より深い『変身』を物語ってるのか?
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『変身』の他のひとふみ
おれはどうしたのだろう?
フランツ・カフカ
ああ、なんという骨の折れる職業をおれは選んでしまったんだろう
フランツ・カフカ
なぜグレゴールだけが、ほんのちょっと遅刻しただけですぐ最大の疑いをかけるような商会に勤めるように運命づけられたのだろうか。
フランツ・カフカ
まだグレゴールはここにいて、自分の家族を見捨てようなどとは、ほんの少しだって考えてはいないのだ。
フランツ・カフカ
それでは、人びとはもう彼が何をいっているのかわからなかったのだ。自分の言葉ははっきりと、さっきよりもはっきりとしているように思えたのだが、おそらくそれは耳が慣れたためなのだろう。
フランツ・カフカ
それでは」と、グレゴールはいったが、自分が冷静さを保っているただ一人の人間なのだということをはっきりと意識していた。
フランツ・カフカ
それに、こんなことをしたら、まるで家具を片づけることによって、わたしたちがあの子のよくなることをまったくあきらめてしまい、あの子のことをかまわずにほったらかしにしているということを見せつけるようなものじゃないかい?
フランツ・カフカ
グレゴールがまたわたしたちのところへもどってきたときに、なんにも変っていないことを見て、それだけたやすくそれまでのことが忘れられるようにしておくことがいちばんいい
フランツ・カフカ
おれはもうこうしたことのすべてを我慢できなくなるだろう
フランツ・カフカ
だが、そんなことをやってみるがいい! 彼は写真の上に坐りこんで、渡しはしない。
フランツ・カフカ
おれは食欲があるが、あんなものはいやだ。あの人たちはものを食べて栄養を取っているのに、おれは死ぬのだ!
フランツ・カフカ
感動と愛情とをこめて家族のことを考えた。自分が消えてしまわなければならないのだという彼の考えは、おそらく妹の意見よりももっと決定的なものだった。
フランツ・カフカ
「これで」と、ザムザ氏がいった。「神様に感謝できる」
フランツ・カフカ
さあ、こっちへこいよ。もう古いことは捨て去るのだ。そして、少しはおれのことも心配してくれよ
フランツ・カフカ
それから三人はそろって住居を出た。もう何カ月もなかったことだ。
フランツ・カフカ
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