もどる
どうも奥には、よほどえらいひとがきている。こんなとこで、案外ぼくらは、貴族とちかづきになるかも知れないよ。
宮沢賢治「山越え」
背景解説
山越えの途中で次々と謎の指示が飛んでくるんだけど、主人公たちはそれを「偉い人からの指示に違いない」って勝手に解釈して、むしろワクワクしちゃってる状態。つまり、危険が迫ってるのに全然気づかずに、むしろ貴族と仲良くなれるかもって期待してる、めっちゃマヌケだけど妙に人間らしい楽観性が炸裂してる場面です。
でも実はその『えらいひと』の正体は、想像もつかないヤバいやつだったとしたら…?
あらすじを見てみる →
本文を読む →
『山越え』の他のひとふみ
鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなあ。
宮沢賢治
くるくるまわって、それからどたっと倒れるだろうねえ。
宮沢賢治
じつにぼくは、二千四百円の損害だ
宮沢賢治
そいじゃ、これで切りあげよう。なあに戻りに、昨日の宿屋で、山鳥を拾円も買って帰ればいい。
宮沢賢治
どっちへ行けば戻れるのか、いっこうに見当がつかなくなっていました。
宮沢賢治
もうあんまりあるきたくないな。
宮沢賢治
ぼくはもう何か喰べたくて倒れそうなんだ。
宮沢賢治
こんなとこにおかしいね。
宮沢賢治
いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。 もうこれだけです。どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさん よくもみ込んでください。
宮沢賢治
西洋料理店というのは、西洋料理を、来た人にたべさせるのではなくて、来た人を西洋料理にして、食べてやる家(うち)とこういうことなんだ。
宮沢賢治
さあさあおなかにおはいりください。
宮沢賢治
どうせぼくらには、骨も分けて呉(く)れやしないんだ。
宮沢賢治
二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
宮沢賢治
鍵穴(かぎあな)の眼玉はたちまちなくなり、犬どもはううとうなってしばらく室の中をくるくる廻(まわ)っていましたが、また一声 「わん。」と高く吠(ほ)えて、いきなり次の扉に飛びつきました。
宮沢賢治
戸はがたりとひらき、犬どもは吸い込まれるように飛んで行きました。
宮沢賢治
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
宮沢賢治
室はけむりのように消え、二人は寒さにぶるぶるふるえて、草の中に立っていました。
宮沢賢治
← ホームに戻る