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君の眼はそこいらの画家の眼とは まるでちがっていた。 ぎらぎらと燃えていた。
有島武郎「生れ出づる悩み」
背景解説
学校で美術を学んだわけでもない漁師の青年の目が「ぎらぎらと燃えていた」。本物の才能って、学歴とか環境じゃなくて、その人の目に宿るんだなって。有島は「君」の中に、教えることのできない本物の芸術家の魂を見た。
本物の才能は、目に宿る。
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『生れ出づる悩み』の他のひとふみ
君よ、つよく生きよ。
有島武郎
生れ出づる悩みを持つ者は、 その悩みの故に高い。
有島武郎
自然は美しかった。 恐ろしく美しかった。
有島武郎
海は君を呼んでいた。 そしてカンヴァスもまた 君を呼んでいた。
有島武郎
しかし君は描かずにはいられなかった。 描くことが君の呼吸であった。
有島武郎
荒い冬の海がうねりかえっていた。 波は暗い岩壁に打ちつけて、 白い泡をかんでは砕けた。
有島武郎
君の絵には学問がなかった。 しかし命があった。
有島武郎
芸術は長く、人生は短い。 しかし人生なくして 芸術はあり得ない。
有島武郎
君よ、自棄するなかれ。 世に生れ出づる悩みを 持てるものは幸いなるかな。
有島武郎
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