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わたしはくちびるにべにをぬって、あたらしい白樺の幹に接吻した。
萩原朔太郎「月に吠える」
背景解説
1917年、今から100年以上前に書かれたこの詩で、男性が口紅を塗って木にキスするって、マジでヤバくない?当時の日本でこんな破天荒な表現をした萩原朔太郎は、まさに文学界のロックスターだったんだ。恋に狂った人の心境を、こんなにも美しくて狂気じみた行動で表現するなんて、現代のアーティストでも思いつかないレベルの天才性。
でも、なぜ彼は「恋を恋する人」なんて不思議なタイトルをつけたのか...その答えは詩の続きに隠されている。
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『月に吠える』の他のひとふみ
地面の底に顔があらわれ、さみしい病人の顔があらわれ。
萩原朔太郎
ぬすつと犬めが、くさった波止場の月に吠えている。
萩原朔太郎
とほい空でぴすとるが鳴る。またぴすとるが鳴る。
萩原朔太郎
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎
おれは病気の風船のりみたいに、いつも憔悴した方角で、ふらふらふらふらあるいているのだ。
萩原朔太郎
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