その皺だらけに痙攣った横顔を眺めながら、私は煙に捲かれたように茫然となっていた。今朝から私の周囲にゴチャゴチャと起って来る出来事が、何一つとして私に、新らしい不安と、驚きとを与えないものは無い……しかも、それに対する若林博士の説明が又、みるみる大袈裟に、超自然的に拡大して行くばかりで、とても事実とは思えない
夢野久作ドグラ・マグラ
背景解説
主人公が自分のことなのに、まるで他人事のように感じちゃってる瞬間。博士の説明がどんどん大げさになっていくのを聞きながら、現実と非現実の境目がぐちゃぐちゃになって、自分が誰なのか分からなくなってく恐怖感が伝わってくるシーンです。
でもこの違和感、実はすべてが繋がる重大な真実の入り口だったとしたら?
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