おれは病気の風船のりみたいに、いつも憔悴した方角で、ふらふらふらふらあるいているのだ。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
とほい空でぴすとるが鳴る。またぴすとるが鳴る。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
わたしはくちびるにべにをぬって、あたらしい白樺の幹に接吻した。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
地面の底に顔があらわれ、さみしい病人の顔があらわれ。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫。どこを見ても猫ばかりだ。
萩原朔太郎猫町」(1935)
地面の底の病気の顔地面の底に顔があらわれ、さみしい病人の顔があらわれ。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
旅が単なる「同一空間における同一事物の移動」にすぎないことを教えてくれた。
萩原朔太郎猫町」(1935)
狐に化かされるという状態は、つまり心理学者のいう三半規管の疾病であるのだろう。
萩原朔太郎猫町」(1935)
半身は砂のなかにうもれていて、それで居てべろべろ舌を出している。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)
蠅(はえ)を叩きつぶしたところで、蠅の「物そのもの」は死にはしない。
萩原朔太郎猫町」(1935)
あいつはいつも歪んだ顔をして、窓のそばに突っ立っている。
萩原朔太郎月に吠える」(1917)