もうお別れになるかも知れません。随分ご機嫌よう
夏目漱石坊っちゃん
背景解説
田舎の学校に赴任した主人公を、ずっと支えてくれた女中・清。この別れのシーンは、主人公が初めて『本当に大事な人』の存在に気づく瞬間なんです。涙ぐむ清の姿に、主人公の心も揺さぶられて、それまでの無骨さが一気に崩れていく——それがこの作品の最高にエモい場面です。
お別れなのに『ご機嫌よう』と言う清の健気さに、主人公はこの後、人生で本当に大切なものが何かを思い知ることになるんですよ。
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坊っちゃん』の他のひとふみ
親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。
夏目漱石
ただ懲役に行かないで生きているばかりである。
夏目漱石
母も死ぬ三日前に愛想をつかした――おやじも年中持て余している――町内では乱暴者の悪太郎と爪弾きをする――このおれを無暗に珍重してくれた。
夏目漱石
どうせ碌な所ではあるまい。どんな町で、どんな人が住んでるか分らん。分らんでも困らない。心配にはならぬ。ただ行くばかりである。
夏目漱石
何だか大変小さく見えた。
夏目漱石
おれは無論いい加減に聞いていたが、途中からこれは飛んだ所へ来たと思った。
夏目漱石
人間は大概似たもんだ。腹が立てば喧嘩の一つぐらいは誰でもするだろうと思ってたが、この様子じゃめったに口も聞けない、散歩も出来ない。
夏目漱石
おれは何事によらず長く心配しようと思っても心配が出来ない男だ。
夏目漱石
わざわざ東京から、こんな奴を教えに来たのかと思ったら情なくなった。
夏目漱石
言葉や様子こそあまり上品じゃないが、心はこいつらよりも遥かに上品なつもりだ。
夏目漱石
正直だから、どうしていいか分らないんだ。世の中に正直が勝たないで、外に勝つものがあるか、考えてみろ。
夏目漱石
おれは逃げも隠(かく)れもせん。今夜五時までは浜の港屋に居る。用があるなら巡査(じゅんさ)なりなんなり、よこせ
夏目漱石
その夜おれと山嵐はこの不浄(ふじょう)な地を離(はな)れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした。
夏目漱石
もう田舎へは行かない、東京で清とうちを持つんだ
夏目漱石
お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っております
夏目漱石
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