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けれども、苦悩だけは、 その青年たちに、先生、と 言はれて、だまつてそれを 受けていいくらゐの、 苦悩は、経て来た。
太宰治「富嶽百景」
背景解説
学問も才能もない、と自分を卑下する太宰が、それでも「苦悩だけは」経験してきたと言い切る場面。これが太宰の唯一のプライド。キラキラした成功体験じゃなくて、苦しんだ経験こそが自分の価値だという宣言。弱さを強さに変える言葉。
自慢できるのが「苦しんだこと」だけ、という誇り。
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『富嶽百景』の他のひとふみ
富士には、月見草がよく似合ふ。
太宰治
富士が、よかつた。
太宰治
いいねえ。富士は、やつぱり、 いいとこあるねえ。 よくやつてるなあ。
太宰治
霧の深いのを、 残念にも思はなかつた。
太宰治
富士山、さやうなら、 お世話になりました。パチリ。
太宰治
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