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泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。
芥川龍之介「蜘蛛の糸」
背景解説
地獄で苦しむ主人公カンダタが、糸を登って脱出しようとするんですけど、結局ダメになっちゃう。このセリフは、もう苦しみが深すぎて、泣くことすらできなくなっちゃった人間の絶望を表してるんです。つまり、苦しさの極限って『叫ぶ力すら奪う』ってヤバくないですか?
その直後、糸が切れて全てが終わるんですが、本当に怖いのはそこじゃなくて、泣くこともできない状態で落ちていく恐怖なんです。
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『蜘蛛の糸』の他のひとふみ
これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗(むやみ)にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。
芥川龍之介
翡翠(ひすい)のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。
芥川龍之介
自分一人でさえ断れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪える事が出来ましょう。
芥川龍之介
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