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蠅は、ぶんと唸ると、青空の中へ消えていった。
横光利一「蠅」
背景解説
人間の生死を目撃した蠅が、何事もなかったかのように青空へ消えていく。命って結局そんなものなのか?この短い一文が、物語全体の意味を根底から問い直す。
たった一匹の蠅の動きが、文学の歴史を変えた。
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『蠅』の他のひとふみ
蠅は最も高い馬の耳の上に止まって、眼の下に落ちてゆく世界をじっと見おろしていた。
横光利一
馬車の中には、誰一人自分の不幸を知っているものはなかった。
横光利一
御者は赤い西日の中に手綱を引き緊めると、鞭の先で遙か眼の下の町を指した。
横光利一
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